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サシャ「美味しいものは、分けあいましょう」


1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:08:54 ID:6fQnSrzM

・サシャ「無意味じゃありません!」の続きです

・いつもよりかなり長め





61 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:47:55 ID:6fQnSrzM

ベルトルト「……あのさ、人間同士でもそういうことするよね」

サシャ「そりゃあ……必要に迫られればするんじゃないですか? まあ、私には縁のない話だと思いますが」

ベルトルト「……縁のない話」

サシャ「まだ私お子様ですし。そういうのはまだ早いですよ」

ベルトルト「……でも、君は女の子だよ?」

サシャ「はあ、女ですけど……それが何か?」キョトン

ベルトルト「……」

サシャ「ああ、そういえば……この前ライナーにも言われましたね。お前は女なんだぞーって。これってどういう意味なんですかね?」ウーン...

ベルトルト「……」

サシャ「もしもし? ベルトルト、聞いてます?」

62 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:48:57 ID:6fQnSrzM

ベルトルト(……ユミルの推測は間違ってたんだ)

ベルトルト(サシャは、知識はそれなりにあるけど……自分のこと、そういう対象だって思ってないんだ)

ベルトルト(しかも馬鹿で抜けてて、少し世間からズレてるから、話が直球じゃないと通じない)

ベルトルト(みんな、ズッコンバッコンとか夜の立体機動とか、遠回しに話すんだもんな……サシャがわからないわけだよ)

ベルトルト(ライナーもライナーだ……やることやる前に、言うことちゃんと言わないから、こういうことになってるんじゃないか)イライラ

サシャ「ベルトルト、どうかしました?」ユサユサ

ベルトルト「……ううん、なんでもないよ」

ベルトルト(まあ、僕が教えてあげる義理はないよね)

ベルトルト(それにしても……最初からズレすぎだよ、君たちどっちも)

63 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:50:25 ID:6fQnSrzM

サシャ(ベルトルトもアニも、優しいですね。私の話を真剣に聞いてくれて、ちゃんと考えて、自分なりに答えようとしてくれて……)

サシャ(ライナーがいなかったら、きっと接点すらなかったでしょうね。こうやって、ゆっくり話すこともなかったはずです)

サシャ(……ライナーとも、普通に話したいな)

サシャ(……本当は、それだけで充分なのに)

サシャ(……好きなだけじゃ、だめなんですかね)

サシャ(この前、何をしてあげればよかったんでしょう……言ってくれないと、わかんないですよ……)ポロッ

ベルトルト「!? さ、サシャ? どうしたの? なんで泣いてるの?」オロオロ

サシャ「え? ……あっ、これはその、な、なんでもないですっ、大丈夫ですから……っ」ゴシゴシ

ベルトルト「そんなこと言われても――」オロオロ

ベルトルト(こんなところ、ライナーに見られでもしたら何を言われるか……)





ライナー「……おい」

ベルトルト「」ビクッ

64 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:51:39 ID:6fQnSrzM

ライナー「お前……何泣かせてるんだ?」ギロッ

ベルトルト「いっ……いやいやいやいや! 僕じゃないよ! 僕のせいじゃないから!」ブンブンブンブン

ライナー「話は後で聞く。――こっちこい、サシャ。ほら」

サシャ「……」プイッ

ライナー「サシャ?」

サシャ「……ベルトルトのほうが優しいです」ギュッ

ライナー「は?」

ベルトルト「サシャ? なんで僕の腰にしがみついてるの?」

サシャ「だってベルトルトはよくわからないことで怒ったりしませんもん! ベルトルトのほうがいいです!」ギュウッ

ライナー「……へえ」

ベルトルト「……」ダラダラダラダラ

65 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:52:56 ID:6fQnSrzM

ライナー「……そこをどけ、ベルトルト」

ベルトルト「言われなくてもそうしたいよ!」

サシャ「ベルトルト、動いちゃダメですよ」ガルルルルル...

ベルトルト「君がしがみついてるから動けないんじゃないか! もう、放してよ!」ジタバタジタバタ

ベルトルト(ライナーは話を聞いてくれそうにないし、サシャは全然放してくれないし……もう頼れるのは……!)

ベルトルト「アニ、助けてくれ!」

アニ「終わったら呼んでー」サクサクサクサク

ベルトルト「アニイイイイイイイイイ!!」

アニ「うるさいな。ミーナのお土産台無しにしたら全員畳むからね。後は勝手にやりなよ」ギロッ

ライナー「ああ、こっちのことは気にするな。お前はそいつ食ったままでいいぞ」

サシャ「……」ムーッ...

ベルトルト(ううっ、ずるいよアニ、自分は知らないフリなんて……)

66 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:54:19 ID:6fQnSrzM

アニ(……こういうの、なんて言うんだっけ)

アニ(ええっと……「前門の虎、後門の狼」だったかな。帰ったらアルミンにでも聞こう)

アニ(……前門のライナーと、後門のサシャか)

アニ「……」

ベルトルト(あっ、アニが何か手信号で喋ってる……!)





アニ『前門のピュアゴリラまでは思いついたんだけどサシャは何にしたらいいと思う? 芋は生き物じゃないよね?』クルクルッ パッパッ





ベルトルト「どうでもいいよ!!」

サシャ「どうでもよくなんかないですよ!」

ライナー「そうだぞベルトルト、当事者なんだからお前も真剣に考えろ!」

ベルトルト「」ブチッ

67 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:55:30 ID:6fQnSrzM

ベルトルト「……サシャ、放してくれ」

サシャ「でも……」ギュッ

ベルトルト「僕にしがみついてても、ライナーと仲直りはできないよ? ずっとこのままでいいの?」

サシャ「……それは嫌です」

ベルトルト「じゃあ、放してくれるかな」

サシャ「……」

ベルトルト「大丈夫だよ。ライナーは話せばわかってくれる人だってことは、君もよく知ってるでしょ?」

サシャ「はい、知ってます……すみませんでした、ベルトルト。わがまま言って」パッ

ベルトルト「うん、放してくれてありがとう。それに、わかってくれて嬉しいよ」

68 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:57:19 ID:6fQnSrzM

アニ「……終わった?」サクサクサクサク

ライナー「いや、まだだが……ベルトルトと先に帰ってていいぞ、アニ」

アニ「そうするよ。早く帰らないとお菓子傷むし。ユミルたちのお土産も私が持ってくから、あんたたちはゆっくり来なよ」

ベルトルト「待って。――帰る前にちょっといいかな、ライナー」

ライナー「なんだ?」

ベルトルト「……君ね、やることやる前にちゃんと言うこと言いなよ」ヒソヒソ

ライナー「そのことはもう話しただろ。――俺は、言うつもりはないんだ」ヒソヒソ

ベルトルト「そうじゃなくてさ……それ以前に言うこと、もっといろいろあるでしょ」

ライナー「それ以前……?」

ベルトルト「僕にだってできるよそれくらい。エレンやコニーでも普通にやってることだろうね」

ライナー「……?」

ベルトルト「僕が教えてあげるのはここまで。後は自分で考えなよ。――じゃあ、また後でね」

69 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 20:59:13 ID:6fQnSrzM

―― 街中

アニ「お疲れ、ベルトルト」スタスタ...

ベルトルト「……本当に疲れたよ。サシャったら、何の前触れもなしにいきなり泣くからびっくりした」テクテク...

アニ「サシャは本能で生きてるからね。……見てるだけなら結構面白いよね、あの子」

ベルトルト「……うん、そうだね」

アニ「あんたがライナーに説教してるところ、はじめて見たよ」

ベルトルト「……あれ、説教って言うかなぁ」

アニ「そう見えたけどね。……もう少し色々言ってもいいんじゃないの? そっちのほうは私は好きだけど」

ベルトルト「え? す、好きってどういう……?」ドキッ

アニ「何も言わないで黙ってるよりは、はっきり言ってるほうが見ててすっきりするからね」

ベルトルト「……ああ、そういう話か」

アニ「?」

70 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:00:16 ID:6fQnSrzM

ベルトルト「……ねえ、アニはどう思う? ライナーとサシャのこと」

アニ「どうでもいい」サクッ

ベルトルト「どうでもいいって……」

アニ「この訓練生活は、私たちが卒業後に憲兵団に入るまでの単なる過程でしょ」サクサク

アニ「その過程がどうであれ、最終的に決断できるなら、私は文句言わないよ」サクサクサクサク

ベルトルト「……アニ、僕は真面目な話してるんだけど」

アニ「……あ、や、ごめん……これおいしくて……///」カァッ...

ベルトルト「さつまいもスティック?」

アニ「……食べる?」スッ

ベルトルト「じゃあ一本だけもらおうかな」スッ

アニ「……」サクサクサクサク

ベルトルト「……おいしいね、これ」サクサクサクサク

アニ「でしょ?」サクサクサクサク

71 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:01:54 ID:6fQnSrzM

アニ(二人きりか……ユミルが言ってたのって、このタイミングでいいのかな)

アニ「あ、あのさ。……ベルトルト」

ベルトルト「何?」サクサク

アニ「今日の服さ、あんたとお揃いなんだけど……気づいてた?」

ベルトルト「え? ……あっ、本当だ」

ベルトルト(そういえば、いつものパーカーじゃない……髪ばっかり見てて気づかなかった……)ジッ...

アニ「……あんまりじろじろ見られると、恥ずかしいんだけど」プイッ

ベルトルト「あっ……ごめん、そうだよね」プイッ

ベルトルト(狙って選んできた……わけじゃないよね。アニはパーカー好きだし。ということは……)

ベルトルト「ミーナにでも勧められた? その服」

アニ「違うよ。ユミルの提案」

ベルトルト(……やっぱりね)

アニ「……だけど、着ようって決めたのは私」

72 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:04:36 ID:6fQnSrzM

ベルトルト「……え?」

アニ「さっきのサシャと同じだよ。……ベルトルトがどういう気持ちなのか、知ってみたかったんだ」

ベルトルト「僕の気持ち……?」

アニ「最近……じゃないね。訓練所に入ってからさ、一緒にいる機会少なくなっちゃったから。あんたが何を考えてるのか、知りたくなったんだ。……服一つで、そんな変わるわけないけど」

ベルトルト「……」

アニ「きついことだと思うけど……知ろうとする努力は、やめちゃいけないと思うからさ」

ベルトルト「……矛盾してるよ、さっき言ってることと。どうでもいいのに知らなきゃいけないって、おかしいよ」

アニ「……そうかな、よくわからない」

ベルトルト「……君も、兵士になりたいの?」

アニ「まさか。そんなわけないよ」

ベルトルト「……どういう気分だった? その服着てみて」

アニ「意外とあったかいね、これ。……悪くない気分だよ」

ベルトルト「……そっか」

73 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:22:32 ID:6fQnSrzM

―― 同刻 街中

ライナー「……」スタスタ...

サシャ「……」テクテク...

サシャ(気まずい……)

ライナー「……何回目だっけか、こういうの」

サシャ「……もう、数えてないです」

ライナー「数えてないほど回数重ねてるってのも、すごい話だよな」

サシャ「エレンとジャンみたいですね」

ライナー「……なんでそこであの二人が出てくる?」

サシャ「アニと話してたんですよ。あの二人の喧嘩って、もう求愛ダンスみたいなものだって」

ライナー「確かにな。……あいつらもよく飽きないよな」

サシャ「ふふっ、ですね」

74 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:23:31 ID:6fQnSrzM

サシャ(あれ? ……なんか、いつも通りに話せてますね)

サシャ(ライナーもいつも通りですし、これでいいんでしょうか……?)

サシャ(――ってそんなわけないですよ!!)

ライナー「そういやさっき、喫茶店の前でエレンとジャンが――」

サシャ「あの、この前のことなんですけどっ!」

ライナー「」ピタッ

サシャ「私、どうすればよかったのか教えてくれませんか?」

ライナー「……あれは、もういいぞ」

サシャ「でも……」

ライナー「あのな。俺がこの前やったことは、その辺りのガキに立体機動装置渡して、巨人倒してこいって言ったようなもんだ。そんなに気に病まなくていい」

サシャ「……私、やっぱりまだ子どもだったんですね」

ライナー「いいや、ガキは俺だった。……すまん」

75 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:26:16 ID:6fQnSrzM

サシャ「謝らなくていいですよ。私も……すみませんでした。子どもでも、できることはちゃんとするべきでしたよね」

ライナー「できること?」

サシャ「わからないことは、ちゃんと聞きます。この前約束したばかりなのに、忘れちゃってました」

サシャ「教えてくれるって言ってましたもんね。……もう忘れません」

ライナー「……あのな、先に言っておくが、そんなに面白いことでもないぞ?」

サシャ「……こんなこと言ったら、ずるいかもしれませんけど」

サシャ「ライナーに教えてもらえるんだから、どんなことだって……きっと楽しいですよ」ニコッ

ライナー「……これだもんなぁ」

サシャ「?」キョトン

ライナー「わかった。じっくり教えてやる。だからもうちょっと色々覚えような。お前は」ポンポン

サシャ「じゃあ手始めにズッコンバッコンの意味から」

ライナー「でかい声で話すんじゃない! ……あと、それはまだ早い」

76 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:27:57 ID:6fQnSrzM

サシャ「あの……よかったら、手を繋いでもらっていいですか? 訓練所の前まででいいですから」

ライナー「おう、いいぞ」スッ

サシャ「じゃあ、失礼しますね」ギュッ

ライナー(やることやる前に、言うことを言え、か……)

ライナー(しかもエレンやコニー、ベルトルトも言えること……)ウーン...

ライナー(……ダメだ、わからん)

ライナー(ベルトルトは何を言いたかったんだ? 今のサシャに何を言ってやればいいんだ?)チラッ

サシャ「……えへへ」ニヘラー

ライナー(……うん、かわいいな。やはりサシャは笑った顔が一番だ)ポンポン

サシャ「どうかしました? もしかして、髪に何かついてます?」ワシャワシャ

ライナー「いいや、何もついてないぞ」

77 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:29:44 ID:6fQnSrzM

―― 夕方 食堂

ベルトルト(うわぁ、混んでるな……ライナーは見当たらないし、どこに座ろうか)キョロキョロ

ジャン「おーいベルトルト! こっち来いよ!」

ベルトルト「あ、ジャン……隣いいの?」

ジャン「おう、座れ座れ。――それにしても災難だったなベルトルト。夫婦喧嘩に巻き込まれたんだって?」

ベルトルト「うん。勘弁してほしいよね」

マルコ「……」ジーッ...

ベルトルト「……? 何? マルコ。僕の顔に何かついてる?」

マルコ「いや、最近はベルトルト、僕たちのテーブルによく来るからさ。一緒に話せて嬉しいなって思ってね」

ベルトルト「……そんなに来てたかな、僕」

コニー「隅で一人で食ってるよりいいだろ? ――そうだベルトルト、今度俺に座学教えてくれよ! ジャンの奴、教え方は上手いんだけど口が悪くてさー。マルコに毎回頼むのも悪いしよ」

ジャン「なんだとコラ」ガタッ

コニー「本当のことだろ! なあいいだろベルトルト、暇な時でいいからさー」

ベルトルト「……うん。今度ね、コニー」

78 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:31:21 ID:6fQnSrzM

―― 夕食後 女子寮 ミカサたちの部屋

ミーナ「うう、今日も疲れたぁ……」グッタリ

アニ「お疲れさま。……はい、これ」

ミーナ「……? これなぁに?」キョトン

アニ「お土産。傷むから早く食べて」

ミーナ「えーっ!? いいの? よくサシャに取られなかったね?」

アニ「あの子に目をつけられる前にさっさと帰ってきたからね。それに、サシャは他人への贈り物に手を出すほど馬鹿じゃないよ」

ミーナ「そっかぁ……へえ……」ジーッ...

アニ「……お菓子控えてたんだよね。やっぱりいらないかな」

ミーナ「ううん、そんなことない! すっごい嬉しい……! ――ありがとうアニ、だいすきーっ!」ギューッ!!

アニ「……暑苦しいよミーナ、離れて」

79 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:32:53 ID:6fQnSrzM

ミーナ「ふふっ、ごめんね? ……食べる前にお茶入れよっか。それで、二人で半分こしよ?」

アニ「私は食べてきたからいいよ。ミーナが一人で食べて」

ミーナ「だーめっ! おいしいものは誰かと分け合わないとね!」

アニ「……その言葉、サシャも言ってたよ」

ミーナ「あはは、サシャに食を語らせたら訓練兵団一……いや、壁内一かもね?」

アニ「そうかもね」クスッ

ミーナ「それで? 今日はみんなで何を分けあってきたの? お茶飲みながらでいいから、アニの話が聞きたいな」



アニ「うん。……あの子には、いいもの分けてもらったよ」





.

80 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:33:45 ID:6fQnSrzM



           ※     ※     ※     



ミーナ「おいしいねー、このお菓子! お茶にもよく合うし」

アニ「うん、おいしい」

ミーナ「来年も同じ企画やるかな? モンブランっていうの、私も食べてみたいな」

アニ「店の状況によるでしょ、そんなの」

ミーナ「そっかぁ……あっ! そうだ、来年は一緒に行こうよ!」

アニ「……え?」

81 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:34:32 ID:6fQnSrzM

ミーナ「二人とも彼氏作って、お休み取って、あそこのお店に行くの! 決まりね!」

アニ「……」

ミーナ「でも、来年の今ごろって私たち何やってるのかなぁ……お休み取れるかなぁ……」

アニ「……さあね、知らないよ」

ミーナ「アニはもちろん憲兵団に行くんだよね? 私はどうしようかなぁ……調査兵団はちょっと怖いし、やっぱり駐屯兵団かな」

アニ「……そう」

ミーナ「でも、壁の外の世界を見てみたいって気持ちもあるんだよね。エレンやアルミンが話してるのたまに聞くけど、楽しそうでさ。ウミっていう湖とか、この目で見てみたいし」

アニ「……行かないほうがいいよ。壁外なんか」

ミーナ「そう? ……でも私、アニの故郷に行ってみたいな」

アニ「……私の故郷?」

82 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:36:01 ID:6fQnSrzM

ミーナ「うん。私、トロスト区から一歩も出たことないからさ。アニがどういうところで育ってきたのか知りたいかも」

アニ「……」

ミーナ「それでね、アニのお母さんとお父さんに挨拶して、『ウチの子を頼みます!』みたいなやりとりしちゃったりね? ……ってこれ、結婚前に挨拶行く恋人みたいだね。あはは」

アニ「……」

ミーナ「私、卒業してもお休み作って会いに行くからね? それで、二人でお菓子食べようね。……あ、サシャも憲兵団に行くのかな? そしたら三人で集まろうよ! きっと楽しいよ?」

アニ「……無理だよ、そんなの」

ミーナ「アニが無理でも私が行くよ! どうせ大した仕事もらえないだろうしね。きっと私、アニに比べたら暇だもの」

アニ「……嫌だってば」

ミーナ「もう、素直じゃな……えっ、アニ? 泣いてるの? どうしたの? もしかして私、変なこと言った?」

アニ「違うよ、埃が目に入っただけだから。……なんでもないよ」







おわり

83 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:37:02 ID:6fQnSrzM
終わりです。読んでくださった方ありがとうございました
というわけでベルアニでした。ベルユミ期待していた方がいたら本当にすみません……ベルアニ少なかったので書いてみたかったんです

そんでもって今回のオマケは幼なじみ三人組+ジャンです。読みたい方だけどうぞー

84 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:38:08 ID:6fQnSrzM

―― 喫茶店前

ミカサ「――いいえ違います、三人じゃありません。これは……一つのサンドイッチです!」ムギューッ

アルミン「あの、ミカサ……一応僕も男の子だから、こういうのは恥ずかしいんだけど……///」カァッ...

エレン「ミカサ、食いたいのはわかるけど無理があるってこれ……」

ミカサ「見てわからないんですか? 私たちは三人で一つなんです! もう一生離れません!」

エレン「離れねえと訓練できないなー」

アルミン「僕も、本を読む時は一人で読みたいなぁ」

ミカサ「えっ、四人目……? しかも女の子じゃないと認めない……? そんな、待ってください! 私たちの間に他の誰かが入り込む余地はありません! 見てくださいほら!!」グイグイグイグイ

アルミン「いたたたたたたたた痛い痛い痛いよミカサ痛いってばぁっ!!」メキメキメキメキ

エレン「あだだだだだだだだミカサお前ちょっと待てって力の加減考えろ!!」メリメリメリメリ

85 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:39:14 ID:6fQnSrzM

―― 数分後 少し離れた路地

ミカサ「……」ムスッ

エレン「あー……首痛ぇ」サスサス

ミカサ「……あの店員は、いじわる」プクーッ...

エレン「お前が無茶なわがまま言うからだろ?」

ミカサ「……この世界は、残酷だ」ムー...

エレン「いつまでもしょぼくれてんなよ。――ほら、これでも食って元気出せ」スッ

ミカサ「……これは何?」ジーッ...

エレン「さつまいもスティックだってよ。うまいぞ」サクサク

ミカサ「……おいしい」サクサク

アルミン「ねえ、僕は外で待ってるからさ。二人で食べてきなよ」

ミカサ「だめ。おいしいものは三人で食べたい」

エレン「……だってよ」

アルミン「うーん……そう言われてもなぁ……」

86 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:40:26 ID:6fQnSrzM

ミカサ「……作戦を考えた」スクッ

アルミン「嫌な予感がするけど一応聞こうか。何?」

ミカサ「三人がダメなら、エレンとアルミンが一つになればいい。これで男女二人になれる」

アルミン「じゃあ、僕たち肩車でもすればいいのかな」

ミカサ「そんなことをしたらすぐバレる。これから私が教えるから、その通りに動いてほしい」

エレン「アルミン、マトモに聞かなくていいぞ」

アルミン「まあ、聞くだけは聞こうよ。……それで? 僕たちは何をすればいいの?」

ミカサ「まずエレンがアルミンをおんぶする。するとエレンは両腕を使えなくなるから、アルミンがエレンの腕の代わりをする」

アルミン「……終わり?」

ミカサ「終わり」

アルミン「……それ、すぐバレると思うよ」

ミカサ「……」ジトッ...

アルミン「そんな目で見られても……」

87 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:42:07 ID:6fQnSrzM

ミカサ「わかった。この方法は諦めよう」

アルミン「ああ、よかった――」ホッ

ミカサ「あの店員を説得してきたほうが早い」ジャキンッ!!

アルミン「よくなかった!!」

ミカサ「私の特技は……肉を削ぐこと……」スッ

アルミン「さつまいもスティックじゃ人の肉は削げないよ!? ――エレン、ミカサを止めてよ!」グイグイグイグイ

エレン「……なあ、三人なんだから問題なんだよな? じゃあ、四人目を連れてくりゃいいんじゃねえの?」

アルミン「それはそうだけど……これから兵舎に戻って探すんじゃ、夕食の時間に間に合わないよ? しかも女の子じゃないとダメだって言ってたし……」

ミカサ「仕方がない。こうなったらエレンを女の子にしよう」ガシッ

エレン「は? いや俺が女になったところで何も解決しない――ってやめろ! シャツ引っ張るなよ!!」ジタバタジタバタ

アルミン「ミカサやめてあげてよ! ね? ね?」オロオロ





ジャン「……何してんだお前ら。こんなところで」

88 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:43:08 ID:6fQnSrzM

ジャン「休みの日も三人揃ってお出かけか? 仲のいいこったな」ケッ

エレン「……」

アルミン「……」

ミカサ「……」

ジャン「な、なんだよ。そんな目ぇ丸くして驚かなくたっていいだろ?」

エレン「……ジャン。何か言い残しておきたいことはあるか?」

アルミン「辞世の句を詠むなら僕が書き留めておくよ?」

ジャン「……? おい、何の話だ?」

89 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:44:35 ID:6fQnSrzM

エレン「短い人生だったなぁ……かわいそうに……」

アルミン「そうだ、君の実家はトロスト区だったよね? 最後にご両親に挨拶しておく? それくらいの時間は――」

ジャン「なんだよ、揃いも揃って気持ち悪い笑い方しやがって……あれ? そういやミカサは?」キョロキョロ

ミカサ「――ジャン。とても、いいところにきた」ガシッ

ジャン「え? え?? ミカサお前、いつの間に後ろに回り込んで――」

ミカサ「大丈夫。恐れることはない……」





ミカサ「――私があなたを、素敵な女の子にしてあげる」ニッコリ

ジャン「」

90 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:46:16 ID:6fQnSrzM

ミカサ「あなたが女の子になれば、私はお菓子を食べられる。――違わない?」

ジャン「いや……違わない? って聞かれても」

ミカサ「よーうこーそしーんせかいーへー♪」ズルズル...

ジャン「待った待った待った待った! ――女装するなら俺じゃなくてアルミンのほうが体格的にいいだろ!? ちゃんと見てみろよ!」

ミカサ「……ふむ。一理ある」ピタッ

アルミン「ええええええええええちょっと!?」

ミカサ「ジャン。エレンとアルミンの隣に並んでほしい」

ジャン「ああ、任せとけ!」ダッ

ミカサ「うーん……」ジーッ...

アルミン「ね、ねえミカサ、最初に言った通りに、ジャンを女の子にしとこうよ、ねっ?」オロオロ

91 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:47:15 ID:6fQnSrzM

ミカサ「……さて、行こうアルミン」ガシッ

アルミン「!? なんで僕なのさミカサ!?」

ミカサ「バランスの問題。三人の中では一番アルミンが女の子らしい。ので、仕方がない」ズルズル...

アルミン「いっ……嫌だああああああああっ!! エレン助けて! エレーン!!」ズルズル...





ジャン「……止めなくていいのか?」

エレン「じゃあお前が女装してこいよ、ジャン」

ジャン「……やっぱいいや」

92 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:48:52 ID:6fQnSrzM

―― 三十分後

       \ヨンメイサマハイリマース/          \ソレデハゴユックリー/

アルミン「ひ、ひどいよぉっ、ミカサぁ……っ!」グスグス

エレン「ミカサお前……ふりっふりのスカートって……鬼畜すぎるだろ……」

ジャン「その頭のでっけえリボン重くないのか? アルミン」

アルミン「重いに決まってるじゃないかぁっ!!」ギロッ!!

ジャン「わ、悪い……」ビクッ

ミカサ「でも、アルミンは着替え中ずっと抵抗しなかった」

アルミン「必死に抵抗したよ! でもミカサが強すぎたの!!」グスグス

ミカサ「……ごめんなさい」シュン

アルミン「今回だけだからね、もう……」パクッ

アルミン「……あ、これおいしい」ホンワカ

ミカサ「でしょう? ――エレンは? どう? おいしい? おいしい?」クイクイクイクイ

エレン「俺はともかくお前はどうなんだよ。食べたかったんだろ?」

ミカサ「うん、とてもおいしい」ホンワカ

93 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:50:51 ID:6fQnSrzM

ジャン(はぁ……便宜上とはいえ、俺とアルミンがカップルになるのかよ……)

ジャン(正直、複雑だが……ミカサが嬉しそうだからいいか)チラッ

ミカサ「……♪」モグモグ

ジャン(かわいいな、ミカサの奴……こんなに喜ぶミカサが見られただけで、充分役得だよな)

ジャン(……目に焼き付けておこう)

ミカサ「……」ジーッ

ジャン「あ、悪い。見てたわけじゃ――」

ミカサ「……」チラッチラッ

ジャン「? ミカサ、どうした?」

ミカサ「あの……そっちも、食べてみたい」

ジャン「!? 俺の食いさしだけどいいのか?」

ミカサ「はしたないのは自覚している。でも……」ショボーン...

ジャン「いやいやいやいや、全ッ然はしたなくねえって! すっ、好きなだけ食えよほら!!」ブンブンブンブン

ミカサ「なら、私のもあげる。もらってばかりだと不公平」スッ

ジャン「ふぁっ!?」ビクゥッ!!

94 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:52:22 ID:6fQnSrzM

ジャン「あ、あああ、あああああああ……?」プルプルプルプル...

ジャン(み、ミカサの……ミカサと、ミカサと間接キス……!?)プルプルプルプル...

アルミン「ジャン大丈夫? 顔真っ赤だよ? 茹で上がってるよ?」ユサユサ

エレン「おいミカサ、ジャンにちゃんとお礼言えよ。ここまで付き合ってもらってんだから」

ミカサ「うん、わかってる」

アルミン「!? ミカサちょっと待って!! 今のジャンにそんなことしたら――」



ミカサ「ジャン、今日はありがとう。あなたのおかげ。……嬉しかった」ニコッ

95 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:53:43 ID:6fQnSrzM

ジャン「……」

ジャン「」ボンッ!! バターン!!

アルミン「ジャンが爆発した!?」ガタッ

エレン「おいどうしたぁ!? ジャーン!! ジャーン!! しっかりしろー!!」ユサユサユサユサ



ミカサ「……うん、やっぱりみんなで食べるとおいしい」モグモグ





おわり

96 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:55:46 ID:6fQnSrzM

というわけでジャンが食べさせあいっこした話でした
本編+オマケかなり推敲しましたけど、今回長いのでどこかしら矛盾があるかもしれないです

次こそはライナーがサシャにかわいいって言ってくれる   はず
次回はみんなで芋を食う話なので、また遅れる&長いかもしれません

97 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 21:56:54 ID:6fQnSrzM

あと現実じゃまだ秋になったばかりですけど、もう少ししたら季節を冬に動かす予定なので、何か見たい秋のイベントやネタなどありましたら教えていただけると助かります
収穫祭のような祭ネタは考えてるのでそれ以外で 書けなかったらすみません


山岳訓練は秋(原作11巻)冬(原作10巻)の両方やりたいと思う反面、シリーズが延びるのでどうしようかと考え中

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 22:02:41 ID:w/LOzx4E
乙!!
自分はこのシリーズ終わって欲しくないと思ってるくらいなので、伸びるのは一向に構わん!!

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 22:16:26 ID:C/fOYitE
いいねえ(・∀・)

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 22:20:24 ID:R.bXR/Go
乙でした!最後のアニとミーナのやり取りが切ない……

平和な104期生をもっと見ていたいので、秋冬両方のエピソード是非書いてほしいです

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 22:27:45 ID:MwvAhnbQ
乙!一策目から読んでます
アニとミーナ切なくていいね

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 23:20:55 ID:5W2iqMuk
やっとリアルタイムに遭遇した。
ずっと追っかけるぐらいこのシリーズ好きです

紅葉とか見に皆で出掛けれたらいいですね

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/11(水) 01:16:31 ID:zKeSVI5U
乙!ベルアニ好きだからほっこりした。

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/11(水) 02:29:03 ID:6V5dayps
ジャンが少し報われてよかったじゃん

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/11(水) 02:33:37 ID:kJ6O3eOw
毎回すげー好き!いつもありがとう!
話が伸びるのは正直大歓迎!

106 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/11(水) 21:03:09 ID:cUQXJid2
乙ありがとうございます、嬉しいです!
>>102さんの紅葉狩りが上手く盛り込めそうなので、次回の話に組み込みたいと思います。ネタ提供ありがとうございました、助かります!
それと、読みたいと言ってくださる方がいるので山岳訓練も秋冬両方やっちゃおうと思います

というわけで次回芋の話+紅葉狩り、次々回山岳訓練、その次でお祭り(幼児化ネタ)の話をしてから冬に入る予定です というわけでまた来週!

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/11(水) 22:28:50 ID:gVGXPU9w


サシャが可愛くて素敵です。今回のおまけも含めてほんわかしていていいです。


秋ネタなら、収穫祭、体育祭、読書、ワインの樽だし、オクトーバフェスとかじゃないですか?
サシャならきっと食欲の秋になると思います。

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/13(金) 19:20:01 ID:WIDl/gZU
待ってました♪やっぱりライベルアニのあの設定は生きてるんですね…。

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 18:06:00 ID:8z.iynm2
乙!このシリーズ大好きです
次も楽しみにしています

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 22:23:05 ID:8ILg9ywY
ライナーがデレている…


いいぞもっとやれ







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